当院でも比較的多く、電子メールでの相談の多かった疾患である腰椎椎間板ヘルニアについて説明しましょう。

腰椎椎間板ヘルニアとはどんな病気?

腰椎椎間板ヘルニア

まず正常な腰椎の解剖から説明します。椎体と言われる骨と骨の間に椎間板と呼ばれる軟骨があります。 図は腰の骨を1つ取り出してきて、椎間板の部分を上からみたもので、正常の椎間板です。

これがクッションの役割りを果たしているのす。

腰椎椎間板ヘルニアの模式図

腰椎椎間板ヘルニア模式図

髄核と言われる軟骨が後方へ脱出し神経を圧迫しています。これを椎間板ヘルニアと言います。

このような状態では圧迫された神経の走行している足にしびれや痛み、運動障害を来す可能性が高くなります

椎椎間板ヘルニアの精密検査

腰椎椎間板ヘルニア精密検査

この図はMRと呼ばれる検査結果です。これは人間を縦切りにスライスしたある断面を横から見たものです。画面の右側が背中側、左がお腹側です。丸印の部分が椎間板が後方に脱出して神経を圧迫している様子を示しています。 またこの椎間板だけ色が黒く変性していることがわかります。

腰椎椎間板ヘルニアの治療の流れ図

腰椎椎間板ヘルニア治療まで

腰椎椎間板ヘルニアの治療は手術で治るとか、薬で治るとか単純なものではありません。

外来での治療を基本に症状に応じてステップバイステップです。 手術は最終的な手段と考えましょう。手術をすれば早く治るとかという過度な期待を持ってもいけませんし、また手術したら足が麻痺する等というまた過度な恐怖心もよくありません。

昔に言われたほど危険な手術ではなくなってきています。また手術方法もいろいろあります。 主治医とよく相談して納得のいく治療を心がけましょう